市立豊中病院

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【豆知識】肝がんと肥満、肝がんとコーヒー

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【豆知識】肝がんと肥満、肝がんとコーヒー | 【豆知識】アルコールと食道がん

2014年10月28日

肝がんの原因となるのは、B型・C型肝炎ウイルスの持続感染が最も多く、アルコール多飲がそれに次ぎます。最近、ウイルス陰性で飲酒もしない方からの肝がんの発症が増加してきており、その原因として肥満や糖尿病などの生活習慣病が注目されています。

調査によりますと、身長から計算される標準体重より10%以上重い人は、肝がんになる危険性が1.7倍程度高まり、さらに太っていて、例えば身長160cmで体重90kgの男性では、危険性は4.5倍という報告もあります。
いずれにしても肥満は肝がんの敵で、肝臓病の食事療法では「太りすぎないよう適正カロリーを摂取する」とういことが強調されています。太りすぎると、内臓に脂肪がたまり、肝臓は脂肪肝になります。さらに色々な要因が加わり非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)となり、ここから肝硬変、肝がんが発症してくるとされています。最近、肥満によって腸の中である特定の細菌が増え、これにより腸内の胆汁酸の成分に変化がおこり、これが肝臓に運ばれて肝がんの発症が増加するという新しいメカニズムも提唱されています。この研究成果をもとに、腸内の特定の細菌増殖をおさえる薬の使用によって、肝がんが予防できるかもしれないと期待されています。

イメージ画像ここで一つ想い出したのですが、9年ほど前に「コーヒーを多く飲む人では肝がんの発生率が低い」という調査結果が発表され、新聞などでもとりあげられました。肥満とは関係がありませんが、コーヒーをほとんど飲まない人と比べ、ほぼ毎日飲む人では肝がんの発生率が約半分に減少し、1日5杯以上飲む人では、4分の1にまで低下するという内容で、一時期、肝臓病の患者さんの中で話題になりました。コーヒーに含まれるカフェインやクロロゲン酸などの酸化を抑える物質が肝がんの発生を低下させるのでは?などと推測されていました。
一方、「コーヒーをたくさん飲める人は元々体の丈夫な方で、がんの発生も少ないのでは?」というような意見もありました。その後、この話題がどうなっているのか調べてみましたが、特に新しい研究成果は見当たらず、本当にコーヒーで肝がんが予防できるのかどうかは判らずじまいでした。ひょっとすると、さきに述べました腸内の細菌や胆汁酸への影響もあるのではとかってに想像しています。

コーヒーも砂糖を入れすぎると体に良くありませんし、ほどほどの量にしておき、とにかく太りすぎないよう注意することが大切のようです。

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