市立豊中病院

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血液内科-【豆知識】健康診断と貧血について

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【豆知識】吸入薬 | 【豆知識2】健康診断と貧血について

2015年2月26日

最近では健康診断を受ける機会も増え、貧血を指摘されたことのある方もいらっしゃることと思います。貧血は、体内の赤血球(RBC)や赤血球内に含まれるヘモグロビン(Hb;酸素を運搬します)が正常より減少した状態を示します。貧血の程度が高度なら、急いで医療機関を受診されることになるでしょうが、軽度の貧血の場合、“健康診断で貧血を指摘されたから、鉄不足と自分で考えて、まず鉄分の補充(サプリメントなども含めて)をしています”という話を耳にすることがあります。

頻度から考えて、貧血の原因が鉄欠乏である場合も多いのですが、もちろんそれ以外にも、貧血には多くの原因が考えられます。鉄欠乏性貧血は、少し専門的になりますが、通常、小球性(赤血球の大きさが小型)低色素性(赤血球内のヘモグロビン濃度が低い)貧血に分類されます。話を簡単にするため、今回は、赤血球の大きさだけに限って説明しますが、急性の出血などを除いた慢性の経過の場合、鉄欠乏性貧血では、赤血球が小型の小球性貧血になります(ただし、小球性貧血のすべてが鉄欠乏性貧血というわけではありません)。
健康診断のデータの中で、RBC(赤血球数)・Hb(ヘモグロビン)・Ht(ヘマトクリット;血液の中で主に赤血球が占める容積の割合)とともに、MCV(平均赤血球容積)の項目がありませんか?

イメージ画像 MCVは、赤血球の大きさを表す指標で、もし健診データに表示されていなくても、MCV(fl)=Ht(%)÷RBC(100万/μl)×10で簡単に求められます。
例えば、RBCが500万/μl、Htが45%なら、45÷5×10で、MCVは90になります。当院では、MCVは83~100が正常値で、それより小さければ小球性(赤血球が小型)、それより大きければ大球性貧血(赤血球が大型)となります。

したがって、MCVが120~130のように大球性貧血の場合、鉄欠乏性貧血ではなく、ビタミンB12・葉酸などの不足や、骨髄(赤血球を産生する場所)の異常が原因で生じる貧血などをまず考慮しなければなりません。このような場合、鉄剤単独での補充が有効とは考えられず、鉄が体内に過剰になる状態は、かえって健康を害することがあります。

貧血の原因はたくさんありますので、貧血の正確な原因検索には、もちろん医療機関での精査が必要です。ただ、せっかく健康診断を受診して入手したデータですので、今回ご紹介したような活用法もあるということを参考にしていただければと思います。

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