病院紹介:市立豊中病院について

市立豊中病院広報誌 病院だより No.40(平成28年9月発行)

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最先端医療 手術支援ロボット“ダヴィンチ”を導入します

より安全で、患者さんに負担の少ない治療をめざして

手術支援ロボット“ダヴィンチ”とは

手術支援ロボット「ダヴィンチ」は1990年代に米国で開発され、世界中で導入が進んでおり、国内で用いられるのは、インテュイティブサージカル社の販売する機器のみとなっています。

ロボットといっても人の形をしていたり、自動的に手術を行うというものではありません。医師がロボットのアームについている鉗子やカメラなどを遠隔操作により手術を行い、ロボットは医師の手の代わりとなり、細やかな動きをして医師の技術をサポート(支援)します。

この「ダヴィンチ」を使った手術は内視鏡手術の一種で、大きな切開を入れずにからだの数か所に穴を開け、そこに内視鏡カメラや鉗子を差し込んで手術を行います。

当院では、平成28年11月より前立腺がん摘出手術において「ダヴィンチ」を使用してまいります。

ロボット支援手術とは?

ダヴィンチの装置は手術用ベッド近くに設置したロボットの本体ともなるペイシェントカートと、これとは離れた位置に置かれ操作台として医師が遠隔操作を行うサージョンコンソール、さらには手術をサポートする助手・看護師用のモニターや電気メスをのせたビジョンカートの3つで構成されます。

通常の腹腔鏡手術では助手が体内の患部を写すカメラを動かし、術者が手術用鉗子を持って、モニターを見ながら手術します。

これに対して、ロボット支援手術ではペイシェントカートの4本のロボットアームにカメラと専用の手術用鉗子が取り付けられます。これらを患者さんから離れた位置に置かれるサージョンコンソールで術者(医師)が3Dモニターをのぞきながらカメラをフットペダルで、3本の鉗子を手元のハンドルで操作して手術を行います。

術者の動き・指示をいったんロボットに経由させて患者の体内にあるカメラや手術用鉗子に伝えるのがロボット支援手術といわれるものです。

ロボット手術の歴史

医療用のロボットの始まりは1992年に整形外科領域で人工股関節置換手術用に開発されたROBODOC(ロボドック)に遡ります。

その後腹腔鏡用に開発され音声でカメラ操作をコントロールするAESOP(イソップ)が1994年に開発され、国内でも使用された時期がありました。そして遠隔地での手術が可能なロボットとして現在のダヴィンチや、ゼウスという機器が2000年、2001年にそれぞれ米国FDA(食品医薬品局)の認可を得ましたが、その後、ゼウスは製造が中止され、現在では、ダヴィンチの1機種のみになりました。

最新鋭の機種~ダヴィンチXi

ダヴィンチスタンダードが2000年に、ダビンチSが2005年に、ダビンチSiが2009年に発売。
このSiが現在国内で最も普及しており、全てのダヴィンチは本年9月現在、国内に約240台あるといわれています。最新機種であるダビンチXiは国内では本年4月に発売され、当院では10月頃に導入予定です。

この最新機種ではロボットのペイシェントカートが大変スリムになっています。実際の手術操作を行う4本のアームが非常に細くなり、以前から問題になっていたアーム同志の接触が減り、また、患者さんの体内に挿入されるポートと呼ばれる鉗子をいれる穴が設定しやすく、より低侵襲(痛みが少ない)な治療が可能となっています。専用のカメラも画質を落とすことなく、かなり細くなって操作がしやすくなりました。また機器の設置もレーザーによる位置決めによって手術開始までの時間が短縮されます。

従来の腹腔鏡手術に比べて優れている点は?

では、ロボットを使用すると通常の腹腔鏡手術にくらべて何がよいのでしょうか?

手術の手の動きを繊細に再現

手振れを補正し、術者の動きを縮尺して鉗子を動かします。

3D画像による立体視と術野の拡大画像

剥離操作の安全性が増し、特に縫合操作が容易となります。

より細やかな剥離、縫合が可能

ロボットの鉗子の関節は360 度回転。狭い骨盤内でも自在。

術者のストレスを軽減

より集中力を持続させ、緻密な手術へとつながります。

対象疾患

2016年9月現在、ロボット支援手術の保険適応のある疾患は泌尿器科領域に限定されます。

  1. 前立腺悪性腫瘍に対する前立腺全摘出術
  2. 腎悪性腫瘍に対する腎部分切除術

当院では当面、「前立腺悪性腫瘍に対する前立腺全摘出術」の患者さんのみを対象とする予定です。

患者さんに優しい 前立腺がんのダヴィンチ手術

傷口が小さい

皮膚を8~12ミリメートルほど数カ所切開し、鉗子を挿入しロボットを操作します。

出血量が少ない

開放手術と比較し少ない出血量です。

疼痛が少ない

傷口が小さいので術後の痛みが少ないです。

早期の社会復帰

傷口が小さいため、術後の回復が早くなります。

術後の尿失禁の軽減

3ヶ月、6ヶ月といった術後早期の尿失禁の割合は、開腹手術に比べて10%程度少ないといわれています。

性機能の温存

鉗子の操作性がよくなり、ロボットの繊細な動きによって術後の性機能温存が期待できます。

豆知識

費用はどれくらいかかりますか?

ダヴィンチによる前立腺摘出術は健康保険が適用されます。
そのため、医療費の負担は従来の腹腔鏡手術とあまり変わりません。また、高額療養費制度を利用することでより負担を少なくすることが可能です。

前立腺がん手術 10日から14日(入院期間が月をまたがない場合)
年齢 高額療養費制度 ダヴィンチ手術 腹腔鏡手術
70歳未満 利用なし 約480,000円 約430,000円
利用あり 約100,000円 約100,000円
70歳以上(一般所得者の場合) 約45,000円 約45,000円

※健康保険を使用して前立腺全摘出術を行った場合で、入院期間が月をまたがない場合の手術・入院費用を試算したもの(個室料、食事代等を除きます)。

※ご加入の健康保険の種類や所得により異なる場合がありますので、詳しくはご相談ください。

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