病院紹介:市立豊中病院について

市立豊中病院広報誌 病院だより No.38(平成28年3月発行)

バックナンバー

No.44 | No.43 | No.42 | No.41 | No.40 | No.39 | No.38 | No.37 | No.36 | No.35 | No.34 | No.33 | No.32 | No.31 | No.30 | No.29 | No.28 | No.27 | No.26 | No.25 | No.24 | No.23 | No.22 | No.21 | No.20 | No.19 | No.18 | No.17 | No.16 | No.15 | No.14 | No.13 | No.12 | No.11 | 特集号

→PDFデータバックナンバーはこちら

呼吸器の疾患と治療

呼吸器とは

呼吸器は空気の通り道である気道(上気道、下気道)とガス交換(酸素と二酸化炭素を出し入れする)の場である肺胞で構成されています。呼吸器に属する器官として、上気道(鼻腔、咽頭、喉頭)、下気道(気管、気管支、細気管支)、肺(肺実質、間質)が挙げられます。上気道は耳鼻いんこう科の専門領域であり、呼吸器内科は下気道、肺実質に生じる疾患を担当しています。

呼吸器の最も大事な役割はガス交換で、酸素を大気から取り入れ、体の中で出来た二酸化炭素を排出しています。従って肺は常に外界と接触しており、病原性微生物や塵埃などのリスクにさらされています。これらの外部の危険な微生物、微粒子に対する様々な防御機能があり、病気になることを防いでいます。また、体液のpHの調節にも関与しています。

呼吸器疾患

それでは呼吸器内科・外科が扱う疾患にはどのようなものがあるのでしょうか。
呼吸器内科医が扱う疾患は多岐にわたっています。大きく次の表のように分類されます。

分類 代表的な疾患
感染症 肺炎、肺結核、肺非結核性抗酸菌症、肺真菌症
免疫・アレルギー性肺疾患 気管支喘息、サルコイドーシス
間質性肺疾患 特発性間質性肺炎
閉塞性肺疾患 慢性閉塞性肺疾患(COPD)
肺腫瘍 肺がん
肺循環障害 肺高血圧
換気異常 睡眠時無呼吸症候群
胸膜疾患 自然気胸、悪性胸膜中皮腫
縦隔疾患 胸腺腫
その他 気管支拡張症、肺胞蛋白症

呼吸器内科が行う特殊な検査

最も代表的な検査として気管支鏡検査があります。当院では火曜日と金曜日に行っており、年間150例以上施行しています。主に肺がんの診断のために行いますが、それ以外にも肺炎の原因菌の検索、特発性間質性肺炎、過敏性肺臓炎、サルコイドーシスなどの診断などに利用しています。

他には肺機能検査があります。慢性閉塞性肺疾患や気管支喘息の診断、治療効果、また、手術適応の判定等に用いられます。

呼吸器外科がめざしているもの

1 安心して手術を受けていただくこと、2 病気を完治させること、3 手術による心身の負担を最小限にすること、を常に心がけています。その目標をめざして、他科医師、看護師、理学療法士などとの良好なチーム医療が育まれています。手術数も増加傾向で年間100例余りの手術を行っており、肺がんと自然気胸が大半を占める中、約90%が傷が小さな低侵襲胸腔鏡手術です。

呼吸器内科・呼吸器外科の連携

当院では呼吸器内科・外科の連携がスムーズに行われるように、週に1回合同カンファレンスを行っています。呼吸器内科・外科が連携して診療している疾患としては肺がん、自然気胸が代表的です。今回は多くの肺疾患の内、この2疾患を取り上げたいと思います。

肺がん

肺腫瘍は、原発性(発生元がこの臓器)と転移性に、また原発性腫瘍は良性と悪性に分類されます。呼吸器内科医が扱う腫瘍は原発性肺腫瘍です。良性の原発性肺腫瘍に肺過誤腫がありますが、頻度は少なく原発性肺腫瘍の多くが肺がんです。日本では肺がんは発症数としては胃がんに次いで第2位ですが、残念ながら死亡率としては現在がんの中で第1位となっています。

肺がんの主な治療方法

肺がんの主な治療方法は手術、放射線治療、化学療法があります。当院では呼吸器外科以外にも、脳神経外科、放射線治療科と連携し集学的治療を行っています。

肺がんの診断がつくと、PET-CT、MRI、CT等を行い、病期診断を行います。初期の肺がんと診断されると、まず手術を考慮し外科紹介となりますが、高齢、低肺機能等のため手術不能と判断された場合は放射線治療となる場合があります。呼吸器内科では診断初期から呼吸器外科と相談し、外科への移行がスムーズに進むよう配慮しています。進行した肺がんの場合は抗がん剤や分子標的薬による化学療法が行われます。

自然気胸

肺の表面に穴が開き、肺が縮んでしまう疾患です。当院では入院時は呼吸器内科が担当し胸腔持続ドレナージ(肺と胸壁の間にチューブを入れ空気を排出し肺を膨張させる治療)を行いますが、入院当初より呼吸器外科と相談し、手術適応症例は早期に外科へ転科できるよう配慮しています。その結果当院における自然気胸の平均入院日数は、他の病院に比べ短くなっています。

当院の特徴

日本呼吸器学会認定施設、日本呼吸器内視鏡学会認定施設、呼吸器外科学会認定施設を取得しています。当院は1年を通して救急外来が開いており、肺がんの化学療法予定者及び検査入院を除くと、ほとんどの入院患者さんは緊急入院の形で入院されます。呼吸器疾患に対し、幅広く対応していますが、菌を排出している肺結核症例には対応しておらず、結核専門病院への紹介となっています。

豆知識

こんな症状が起こったら…

今回取り上げた自然気胸はあらゆる年齢層に発症しますが、一般的には若い男性に多い疾患です。特に痩せ形で長身の男性に起こりやすいと言われています。症状としては突然自覚する胸痛と呼吸困難です(呼吸困難は自覚しないこともあります)。従って発症時期が比較的明確に判る疾患です。レントゲンで容易に診断がつくことが多いので、このような症状を認めた場合にはお近くの病院・医院でレントゲンを撮影することが望ましいと思われます。

ページの先頭へ移動