病院紹介:市立豊中病院について

市立豊中病院広報誌 病院だより No.31(平成26年5月発行)

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高齢化の進展にともない、急激に増加しているのが「認知症」です。
65歳以上の10人に1人が認知症といわれています。当院でも認知症患者は年々増加傾向にあり、精神科初診外来患者の約7割を占めています。

認知症と物忘れの違いは?

老化による物忘れは、出来事の詳細は忘れても、出来事自体は覚えているものです。例えば、献立は思い出せないが食事をしたことは覚えているというように。そして、ヒントをあたえられれば思い出せますし、多くの場合、物忘れに対して自覚があるものです。
一方、認知症の記憶障害は脳が萎縮していく「病気」によるものです。原因となる病気はさまざまですが、アルツハイマー型、脳血管性、レビー小体型、前頭側頭型が9割以上を占めます。また、まれに血腫や髄液が脳を圧迫して発症する場合や、ビタミン不足による脳症が原因となることもあります。
それぞれ治療法が異なるため、まずは病型の診断が必要です。

「認知症」早期発見の目安 (公益社団法人 認知症の人と家族の会)

  • 同じことを何度も言う・尋ねる・する。
  • 財布・通帳・衣類などを盗まれたと人を疑う。
  • 新しいことを覚えられない。
  • 些細なことで怒りっぽくなった。
  • 外出時、持ち物を何度も確かめる。

市立豊中病院「精神科」の仕事!

物忘れ外来

当院では平成16年より「物忘れ外来」を開設しており、MRI(CT)や心理検査の他、必要に応じて血液や脳の血流を調べる検査などを用いて認知症の診断を行っています。現在の医学では認知症を根本的に治すことはできませんが、アルツハイマー型認知症やレビー小体型認知症には進行を遅らせる薬があります。脳血管性認知症は糖尿病、高血圧、高脂血症といった基礎疾患の治療が重要です。いずれも早期に対処するほど効果が期待できます。
物忘れが気になったら、まずはかかりつけ医に相談を。当科は初診、再診共に完全予約制とさせていただいておりますので、初診希望の方は、地域のかかりつけ医による紹介状があれば、当院地域医療室より初診予約をお取りいただけます。

もの忘れ看護相談外来

認知症看護認定看護師による「もの忘れ看護相談外来」では、認知症への対応法、ケア、家族の相談などに応じています。

対象
  • 認知症で当院に通院している患者または家族
  • 入院中に認知機能低下で精神科医師または認知症看護認定看護師が関わった方で、退院後の認知症看護相談を希望される方

※ 保険診療での療養指導なので精神科受診の扱いとなります。

緩和ケアチーム

地域がん診療連携拠点病院の精神科として、がん患者さんを対象とした「がんサポートプログラム(セミナー、グループ療法、がん患者の集い、家族の集い)」を平成16年より実施しています。

入院患者さんへの対応

精神科病棟はありませんが、精神科以外の科に入院中の患者さんの「眠れない」「不安」「気分が落ち込む」などの様々な精神的問題に対応しています。せん妄(豆知識参照)や認知症が約7割を占めます。

院内デイケアやってます!

平成23年9月より「せん妄予防対策チーム」を立ち上げ、様々な活動を行っています。
入院すると、狭い限られた空間の中で終日ベッドの上で過ごすことになります。自然と活動性は低下し、ともすればテレビをつけたままうとうと寝て過ごすことも…
認知症がある方は刺激の乏しい受身の入院生活によって進行しやすくなります。
昼夜のリズムが乱れやすくなり、せん妄を起こしやすくなります。足腰が弱くなり筋力が低下します。

そこで せん妄予防対策チームでは平成24年5月から院内デイケアをはじめました。

いつやってるの?

毎週 水曜日

デイケアがない日は?週1回だけでは効果がないのでは?

院内デイケアのない日は作業療法を行ない、院内デイケアのプログラムと連続性をもたせた内容を実施しています。また院内デイケアよりも小規模(数名)でミニデイケアを行うこともあります。

どんなことをするの?

リアリティーオリエンテーション⇒発声(自己紹介、唄を歌う) →ラジオ体操⇒ ゲーム( 卓球、ボーリング、風船バレーなど)⇒制作(ぬり絵、貼り絵など) → リラックス(お茶を飲む)

点滴をしています。大丈夫?

酸素投与中の方、持続点滴中の方、鼻腔栄養のチューブが入っている方でも参加しています。スタッフは作業療法士の他に認知症看護認定看護師、精神科医、臨床心理士がいます。身体状況を見ながらプログラムを進めていきます。病院内のデイケアだからこそ、身体的に重症でも参加できるメリットがあります。

どんな効果があるの?

参加した日の夜は良く眠れる。1対1のリハビリでは得られない集団の効果(思わずつられてやってしまう)。 回を増すごとに表情がしっかりし、感情表現が豊かになり発語も増えた。 入院前はデイサービスを拒否していた方が、院内デイケアに参加してみたら楽しかっ たので、退院後、デイサービスに行ってくれるようになった(プレ体験)などがあります。

参加者の皆さんが笑顔になり、「楽しかった」と言ってくださることが何よりの効果だと思っています。

豆知識
「せん妄」

入院すると「せん妄」が起こることがあります。せん妄とは、全身状態が悪い、手術の後、環境の変化、脳卒中、点滴・安静・絶食・痛みなどのストレスが原因で一定期間意識が混乱することです。
せん妄の期間中は異常行動がみられたり、急に認知症になったように感じますが、多くは一時的な症状で、身体の回復に伴って改善します。せん妄は治療も大切ですが、それ以上に予防が大切です。

せん妄のときは、このような変化がおこります!

(注:すべての方に見られるわけではありません)

  • 場所や時間の感覚が鈍くなる
  • 幻覚がみえる
  • 怒りっぽくなる
  • 落ち着きがない
  • 話のつじつまが合わない
  • 身体についている治療のための管を抜いてしまう
  • 転倒・転落の危険がある
こんなケア、工夫をしています。
  • 時計やカレンダーを見えるところに置
  • なじみのある物 (眼鏡、食器、パジャマ、スリッパ、入れ歯等)を持参する
  • つじつまの合わない会話であっても、否定したり、指摘したりしない
  • 眠れないとき、落ち着かないときに頓服で、神経が落ち着く薬を使います
  • 昼間はブラインドを開け日光を取り入れ明るくし、適度な運動や刺激(テレビ、会話、散歩など)をする。
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