病院紹介:市立豊中病院について

市立豊中病院広報誌 病院だより No.25(平成24年10月発行)

外来化学療法センター

日本人の男性2人に1人、女性3人に1人が「がん」になる現代。これまで抗がん剤治療(化学療法)は、使用法や副作用の管理が難しいため入院して行うことが一般的でした。抗がん剤の使用・進化により、今では化学療法を通院で行うことが可能となりました。当院では、平成15年(2003年)4月から外来化学療法センターを開設し、治療を行っています。

抗がん剤治療(化学療法)とは

がんの特徴
  • 細胞の増殖を繰り返し、正常な組織へも広がります。
  • 血液やリンパの流れによりがんの発生部位より離れたところへも広がる場合があります。(転移)
がんの治療
  • 手術
  • 放射線療法
  • 抗がん剤による化学療法(抗がん剤は、がんの増殖を抑え、死滅させる効果があります。)
化学療法の利点
  • 切除不能ながんを小さくすることにより切除可能となる場合があります。
  • 生存期間の延長。
  • 手術後の再発抑制。
  • QOLの向上(症状を和らげる)。
化学療法の副作用

抗がん剤は、血液の流れに乗って全身に運ばれ、がん細胞に直接あるいは間接的に作用します。この時、正常な細胞も傷つけてしまうためさまざまな副作用が発生します。(下痢、嘔吐、全身倦怠感、脱毛、発熱など。)
最近では、分子標的治療(がんだけを標的に攻撃する新しいタイプの薬剤を使用した治療。)等の開発がすすみ、皮膚障害や間質性肺炎などにも注意が必要になってきています。

当院、外来化学療法センターの取り組み

外来化学療法の患者数は年々増加傾向となっています。ご利用の多くの患者さんが家事や仕事をしながら治療を続けています。多職種のスタッフが、チーム医療で少しでも快適な日常生活が送れるよう、患者さん個々の症状にあわせたサポートを行います。

  • チーム医療(専任の看護師・薬剤師・医師):個々に患者さんの治療内容とスケジュールを管理
  • 抗がん剤:専用の設備・機器を使い、無菌操作での調製の実施
  • 患者さん個々の症状に合わせた副作用緩和の実施
  • 専用の治療室:患者さんのプライバシーに配慮
チーム構成
  • 医師(外科・内科・精神科・救急科・泌尿器科・婦人科・皮膚科・整形外科・口腔外科・小児科)
  • 薬剤師:処方監査、調製、化学療法・関連薬剤に関する指導
  • 看護師(がん化学療法看護認定看護師、病棟・外来看護師):オリエンテーション、化学療法室での問診・観察・副作用への支援、安全管理
  • 臨床検査部:化学療法実施前検査、パニックデータの迅速報告
  • 緩和ケアチーム
  • 事務
主な対象疾患
  • 外科…乳がん、消化器がん(大腸がん、胃がん他)
  • 内科…血液腫瘍(リンパ腫・骨髄腫等)、肺がん、消化器がん
  • 婦人科…卵巣がん、子宮がん 等
  • 耳鼻科…鼻腔がん、咽頭がん、顎がん、喉頭がん 等
  • 口腔外科…歯肉がん 等
  • 皮膚科…頭部血管肉腫 等
  • 泌尿器科…腎がん、前立腺がん 等
治療の流れ(当日)予約制

外来化学療法室での治療の流れは以下のとおりです。

再来機受付→各診療科受付→
【外来化学療法室】受付(担当看護師が患者に問診、治療当日は外来化学療法室で採血をします)→担当医受診(血液データチェック※)→注射実施の連絡(担当看護師が薬剤部へ連絡)→薬剤部(薬剤部で抗がん剤調製後、外来化学療法室まで手搬送)→点滴開始→終了・予約確認
※中止の場合 中止を患者さんに伝える

治療件数(平成23年度 平成23年4月~平成24年3月)
外来化学療法

外科:3,277件、内科:1,035件、婦人科:85件、耳鼻科:57件、泌尿器科:118件、歯科口腔外科:0件、皮膚科:3件、整形外科:19件 合計4,594件

ホルモン注射(皮下注)

外科:322件、泌尿器科:1,117件 合計1,439件

ホルモン注射 主な対象疾患

  • 外科…乳がん
  • 泌尿器科…前立腺がん
延件数の年度推移(平成21年~平成23年度 2000年~2011年)
【抗がん剤】

2000年:244件、2001年:944件、2002年:1,950件、2003年:2,143件、2004年:2,332件、2005年:2,872件、2006年:3,472件、2007年:3,690件、2008年:4,079件、2009年:4,485件、2010年:4,670件、2011年:4,594件

【ホルモン注射】

2008年:220件、2009年:1,498件、2010年:1,559件、2011年:1,439件

患者さんの安全を一番に考え、今後もより一層患者指導や相談など、患者ケアの充実を図っていきます。

診療科・部門案内:外来化学療法センター

当院では、厚生労働省より「地域がん診療連携拠点病院」として認定を受け、さまざまな取り組みをしています。
今後、外来化学療法の重要性が増すことを認識し、より安全で、安心して治療の受けられる外来化学療法をめざします。

  • 施設概要…治療中の患者さんの苦痛を少しでも和らげるため、ベッド8台の他、リクライニングシート6台を設置し、リラックスした環境で治療を受けていただけます。
    トイレ:通常のトイレに加えて車いす用もあります。また、ストーマ対応トイレを近くに設置しています。
  • スタッフ…医師(主治医・当直医)、専任看護師2名、看護師1~2名、専任薬剤師1名+約5名の薬剤師で協力体制をとっています。
  • 対象の患者さん…化学療法を外来通院で行う患者さん
  • 治療…外来化学療法センターで実施できる治療は、レジメン(豆知識参照)登録された治療法に限られています。
  • 自宅で副作用が起こった場合…入院による治療と異なり、患者さん自身での自己管理が必要となります。患者さんの受診は24時間対応しています。
  • 抗がん剤の無菌調製…治療当日に、個々の患者さんに合わせた抗がん剤の混合調製を行っています。
    薬剤準備室:投与実施決定後、安全キャビネット内で薬剤師が調製し、鑑査をしています。
  • 問い合わせ…各疾患の外来化学療法については、各科担当医師へお問い合わせください。

豆知識
レジメンとは?

抗がん剤は、誤った投与が重大な事故につながる薬剤です。使用される抗がん剤の種類、用法、用量、投与間隔だけでなく副作用緩和のための支持療法を含めた投与に関するすべてのものを時系列で示すがん化学療法の設計書をレジメンといいます。
当院では、有効かつ安全な抗がん剤使用を目的として平成21年4月レジメン審査委員会を発足しました。
外来化学療法センターで実施できる治療は、レジメン審査委員会で承認・登録された治療法に限られています。投与前には、薬剤師が処方内容をダブルチェックしています。

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