病院紹介:市立豊中病院について

市立豊中病院広報誌 病院だより No.24(平成24年7月発行)

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泌尿器科の疾患と治療

尿が出にくい、たびたびトイレに行くなど、気になる症状はありませんか? 排尿トラブルに関する症状での受診は、抵抗感があるという人も…しかし高齢化が進む現代では、泌尿器科疾患は特に重要な問題となっています。

泌尿器科の対象臓器と疾患について

泌尿器科で診察する臓器

尿は腎臓で作られ、腎盂(尿の通路)、尿管を通って膀胱に運ばれます。

● 腎臓…血液中の老廃物を尿として出し、血液を絶えずきれいに保っています。
●膀胱…尿をためたり、排出するための場所です。
●腎盂
●尿管
●前立…腺男性の膀胱の下にあるクルミ大の臓器、この中を尿道がはしっています。
●尿道…膀胱から尿を排泄するために必要なパイプ。女性より男性が長いのが特徴です。

主な疾患

●尿路結石…尿管に結石がつまり、尿が上手く流れなくなり腎臓が腫れ強い痛みを伴います。つまった場所により、腎結石(腎臓)・尿管結石(尿管)・膀胱結石(膀胱)といいます。
【良性腫瘍】
●前立腺肥大症…尿道をとりまいている前立腺が肥大することにより、尿道を圧迫し尿がでにくくなります。

【悪性腫瘍】
●腎臓がん… 40~60歳に多く、男性が女性の3倍多いです。初期には症状がなく、進行すると血尿、お腹のしこり、腹痛などの症状がでます。
●前立腺がん…50歳以上の男性に多く、65歳以上の男性で 日本で最も多いがんです。初期には症状がなく、PSA採血で見つかることが多いです。進行すると尿がでにくい、排尿痛などの症状がでます。
●膀胱がん…60歳以上に多く、男性が女性の3倍多いです。初期より血尿、頻尿、排尿痛があり、膀胱炎 に似た症状ですが、抗生剤を使っても、なかなか治りません。

【小児泌尿器】
●陰嚢水腫(いんのうすいしゅ)…陰嚢部(タマタマの袋)に水がたまって大きくなります。
●停留精巣…精巣(睾丸)が陰嚢に入っていない状態で、男の子のもっとも頻度の高い先天的な疾患です。
子どもの病気で泌尿器科の病気の占める割合は多い!

当院の泌尿器科では

腎移植を除く全ての泌尿器科疾患を診療しています。前立腺外来、結石外来、排尿機能外来などを行っています。また、泌尿器科は、尿路結石での発熱や疼痛など、救急対応が必要な場合もあり、当院の24時間体制の救急外来からの患者さんも引き続き診療しています。安定期になれば、近隣の開業医の先生にも対応できるよう連携をとっています。

当科で多く手がけている疾患

がん
当院は厚生労働省指定の地域がん診拠連携拠点病院であり、多くのがん症例の治療を行なっています。地域の先生方との協力によるPSA検診から見つかる前立腺がんに対する手術療法、放射線療法、内分泌療法(ホルモン療法)を多く手がけています。
また、腎がん、腎盂尿管がんに対する腹腔鏡手術も、複数の認定医を中心に、多数例行なっています。各種がんに対する化学療法(抗がん剤治療)、腎がんに対する分子標的薬療法(注1)から、全がんにおける緩和医療期までの一貫した医療を行なっています。
※注1…1分子標的薬療法:がんだけを標的に攻撃する新しいタイプの薬剤。

尿路結石
体外衝撃波結石破砕術(ESWL)(注2)は新機種を導入しました。ESWL以外にも、最新の内視鏡を用いた尿管鏡手術、および腎盂鏡手術も行っています。
※注2…体外衝撃波結石破砕術(ESWL):衝撃波を体の外から結石に向け照射し、細かく砕く。肉体的負担が少ない。

前立腺肥大症
前立腺は、加齢と共に肥大する傾向があり、このため尿がでにくくなるなどの排尿障害がおきます。以前は100gを越える大きな前立腺肥大に対しては、開腹手術を行ってきましたが、近年、新しい手術療法として、経尿道的前立腺核出術(TUEB)が開発されました。TUEBにより、大きな前立腺でもお腹を切らない経尿道的手術が可能となりました。

地域連携パス

「連携パス」とは、地域のかかりつけ医と豊中病院の医師が、患者さんの治療経過を共有できる「治療計画表」のことです。「連携パス」を活用し、かかりつけ医と豊中病院の医師が協力して治療を行います。

PSA連携パス

豊中市でも平成23年4月から、50歳以上の男性を対象に市のPSA検査(前立腺がん検診)が受けられるようになりました。
※PSA検査:少量の採血をして前立腺がん以外のがんでは数値が上昇しない血液中のPSAというたんぱく質の濃度値を調べる。初期診断に有効。

TUR-BT(注3)術後パス・前立腺全摘後パス

術後10年をめどに、定期的な診察や検査を行います。

※注3…経尿道的膀胱腫瘍切除術(TUR-BT): 内視鏡を用いて膀胱腫瘍または、その疑いのある病変を切除する手術。

この「連携パス」を使用することで、豊中病院と地域のかかりつけ医とが協力し、患者さんの視点に立った安心で質の高い医療を提供する体制を構築することをめざしています。

診療科・部門案内-泌尿器科

泌尿器科では、迅速な診断と治療を目指して、日々診療活動を行っています。豊中市内、市外を問わず、小児から高齢者まで幅広い年齢層の患者さんの診療を行っています。

特殊専門外来

●腫瘍外来(毎週水曜日午前ー毎週水曜日午後)
腎がん、腎盂尿管がん/膀胱がんなどの尿路上皮がん、精巣腫瘍、前立腺がんなどの、悪性腫瘍の診断治療を主に行っています。
●前立腺外来(毎週月曜日午後)
かかりつけ医で測定されたPSA検査結果をもとに、前立腺がんや、前立腺肥大症に対する診断治療を行っています。
●排尿・性機能外来(毎週金曜日午後)
排尿障害は、尿道に前立腺肥大や尿道狭窄がある場合にも起こりますが、糖尿病や脳梗塞、さらに脊髄疾患などに起因する神経疾患でも、正常な排尿が出来なくなることが知られています。排尿および性機能に関する疾患全般に対して、診断治療を行っています。
●結石外来(毎週金曜日午前ー毎週金曜日午後)
当院の救急外来には、尿管結石が原因で救急搬送されてくる方も多く、泌尿器科でも多くの患者さんを診療しています。尿管結石は4mm以下で、自然排石を期待できる場合には近隣の開業医の先生にも対応していただき、自然排石が期待できない結石に関しては、衝撃波治療(ESWL)や経尿道的内視鏡手術を積極的に行っています。

【年間手術件数 723件】平成23年度

●後腹膜腫瘍、副腎腫瘍、腎がん、尿管がん…開腹手術 24例、腹腔鏡手術37例
●前立腺疾患…前立腺全摘除術 68例、経尿道的前立腺切除術74例
●膀胱癌…経尿道的膀胱腫瘍切除術 198例、膀胱全摘22例
●結石手術185例●小児疾患18例

豆知識-経尿道的前立腺核出術(TUEB)とは

前立腺肥大症の手術は、尿道から内視鏡を用いて前立腺を削るTUR-P(経尿道的前立腺切除術)が主流でした。しかし、肥大が大きい場合、手術時間の延長にともない、出血量の増加とTUR症候群(悪心や血圧低下)の発生がありました。

前立腺肥大症…肥大した組織が尿道を圧迫し、尿が出にくくなります。
経尿道的前立腺核出術(TUEB)は尿道から内視鏡を挿入し、前立腺肥大症部分を核出(くりぬく)します。核出した前立腺は膀胱の中で特殊な機械で細切して体外に取り出します。くりぬくことにより、前立腺肥大症を確実に取り除けます。

長所
●出血がほとんどない。●合併症が起きにくい。●入院日数の短縮。

当院では北摂地域としては最も早くTUEBを取り入れ、出血量が少なく治療成績の良い術式として注目されています。

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