病院紹介:市立豊中病院について

市立豊中病院広報誌 病院だより No.17 (平成22年10月発行)

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動脈硬化(注1)が要因となる心臓病。動脈硬化はある程度症状が進まないかぎり気づかず突然発症する危険性があります。早期発見・早期治療のためには?
(注1)動脈硬化とは:
動脈の内膜に、コレステロール等の脂質が沈着し内膜が厚くなり血管が狭窄・閉塞などをおこすこと。

知っていますか?心臓と血管の病気

心臓は車のエンジンのように人間にとって大切な臓器です。 心臓が悪くなるとどういう変調がおこるのでしょうか?

急性心筋梗塞(最も恐ろしい心臓の病気)

心臓の筋肉(心筋)に酸素を送る冠動脈という血管が動脈硬化を起こしてくると、あるときその表面が破れ、 血栓(血の塊)ができて血流を遮断してしまいます。すると心筋は酸素不足のため2時間ほどで死んでしまいます。 専門医療機関へ入院後の死亡率は10%未満ですが、病院に到着する前に急死される方も多く注意が必要です。
治療が遅れるほど死亡率が高くなる 一刻も早く救急車で病院へ!

症状:突然おこる激烈な胸の痛みに加え冷汗などを伴うことが多い

速やかに緊急カテーテル検査を行い、詰まった冠動脈を再開通させる治療を行います。
また心臓専門の集中治療室で最初の不安定な時期を管理することも大切です。

高血圧症(血管・心臓に負担大)

血圧が極端に高くなると頭痛やめまいふらつき、動悸といった症状が出現します。 治療によって血圧を下げることで症状はよくなりますが、安心してはいけません。血圧が高い状態が続くと血管や心臓に常に負担をかけ続けることになります。
●肥満 ●運動不足 ●塩分の過剰摂取 ●ストレス など 生活習慣の乱れが誘因となる
→減塩・運動などの生活習慣改善を行うことが大切。

心不全(心臓の病気の最終的な状態)

心臓の動きが悪くなってエネルギー源である酸素を含んだ動脈血を身体の各所に届けるパワーが不足すると、息切れやむくみが出やすくなってきます。 心不全の原因は様々ですが高血圧症や心筋梗塞による心不全が多くなっており早い段階での対策が必要です。
早期発見には… レントゲン、心電図、心エコー(超音波検査)、BNP(注2)検査を!
(注2)BNP(採血検査)とは:心臓から血液に分泌されるホルモン。BNPの数値が高いほど心臓に負担がかかっている。

閉塞性動脈硬化症(足に血液を運ぶ動脈に起こる)

足の筋肉を栄養とする血管が狭窄(狭くなる)、閉塞(詰まる)を起こすと歩いたときに足がだるくなり歩けなくなります。休むとまた動けるようになるのが特長です。このような状態を間歇性跛行とよび、さらに血行が悪くなると冷たさ、痛みを感じるようになります。
放置すると傷が治らなくなったり、皮膚潰瘍をつくり感染を起こすと下肢(足)を切断しなくてはならなくなります。

要注意! 高齢者・糖尿病・高脂血症の方

血管のつまり具合を知るには… ABI(注3)検査で簡単に調べることが可能。
(注3)ABIとは:動脈硬化の程度がわかる検査。

市立豊中病院 心臓病センター

当院の心臓病センターでは、循環器科、心臓血管外科の医師をはじめ看護師、技師、栄養士や薬剤師などが密に連携を取りながら患者さんの治療にあたっています。 心臓や血管の病気は、一旦発症すると急激に病状が進み、命の危険があります。特に急性心筋梗塞や急性心不全は致命率が高く恐ろしい病気ですので、すばやい治療のためにチームワークがかかせません。

24時間対応の心臓救急

当院では、外来診療のほかに循環器急性疾患に対して専門の医師が24時間体制で救急対応しています。不安定狭心症や急性心筋梗塞の患者さんは直ちにカテーテル治療が必要です。 診断がつくと直ちに冠動脈造影検査を行い、詰まった血管を広げるインターベンション手術(注4)(ステント留置術:注5)が行われます。 その後はCCUと呼ばれる循環器疾患専用の集中治療室で集中的な治療が行われます。
(注4)インターベンション手術とは:身体に大きな傷をつけることなく行う治療法。
(注5)ステント留置術とは:ステントという金属の筒を血管に置き、血管の中を拡がった状態に保持する。

患者さんの負担を軽減(低侵襲造影検査)

当院では平成21年秋からカテーテル検査、治療を行うためのX線透視装置を新しく更新しました。放射線被爆が少なく短時間で検査を終えることができるようになり、さらに身体に優しい検査治療が行えるようになりました。造影剤の使用量も少ないため、腎臓の機能が悪い方にも安心して検査を受けていただけます。 カテーテルによる虚血性心疾患の手術も平成21年度は282件が行われ、ますます増加傾向です。

地域の医療機関との連携

当院は地域の中核病院として診療所から紹介された急性疾患に速やかに対応し高度な治療ができるよう努力を続けています。
多くの循環器疾患は退院後も継続した通院加療が必要です。当院では心筋梗塞などの急性期治療を行って退院された後は「かかりつけ医」と密接な連携をとりながら慢性期の治療を継続するシステムをとっています。
最近では従来からの紹介状に加え、クリニカルパスとよばれる方法が取り入れられています。これは患者さんが持参されたノートにかかりつけ医と病院の主治医が交互に検査値や病状を記載し、もれなく病気の管理が行えるよう工夫されたものです。 また、症状が悪化した際には円滑に入院加療が行えるよう日頃から密接な連携を行っています。

診療科・部門案内 心臓病センター

 ~心臓病センターは、心臓や血管の病気を正確に診断し的確に治療する部門です。~

循環器科

循環器科は主として高血圧症、狭心症、心筋梗塞、不整脈、心不全などの”心臓と血管”の病気を診断し、治療する科です。通常の外来の他に救急車で来院された循環器疾患にも24時間対応しており専門医の集中治療が受けられます。3床の心臓疾患の集中治療室(CCU)をもち、最新の設備と高い看護度で重症患者の救命に当たっています。

心臓血管外科

心臓血管外科は主として大動脈瘤や閉塞性動脈硬化症、および静脈の病気の治療を行っています。閉塞性動脈硬化症に対してカテーテルを使用したステント治療やバイパス術など多彩な治療法を組み合わせ、血流を回復させて足の痛みをとる治療の成績は良好で、高い評価を受けています。最近ではお腹を切らずに行う腹部大動脈瘤の手術(ステントグラフト留置術:注6)も積極的に行っています。
(注6)ステントグラフト留置術とは:カテーテルを用いて人工血管を留置する。

メタボリックシンドロームとは?

メタボリックシンドロームとは「内臓脂肪の蓄積」が原因となって生活習慣病を複数発症した状態のことをいい、心臓病センターの扱う疾患とは深い関わりがあります。  
「内臓脂肪」は腸管の周囲につく脂肪などをさし、これが蓄積すると、おへそのまわりがでっぱり、内臓脂肪型肥満(リンゴ型)になります。腹部には別に「皮下脂肪」もみられますが、こちらが蓄積すると女性に多い皮下脂肪型肥満(洋ナシ型)になります。
脂肪細胞から分泌され、動脈硬化を起こしにくくするホルモン(アディポネクチン)は内臓脂肪が増えると逆に分泌が低下し、動脈硬化を引き起こしやすくなります。 また、過剰な内臓脂肪蓄積は高血圧などの生活習慣病の原因となり、心臓や血管の病気をおこす危険度が高くなってきます。現在の診断基準では内臓脂肪の過剰な蓄積はウエスト周囲径を用いて推定しています。(男性85cm、女性90cm以上)

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