病院紹介:市立豊中病院について

市立豊中病院広報誌 病院だより No.15 (平成22年4月発行)

バックナンバー

No.43 | No.42 | No.41 | No.40 | No.39 | No.38 | No.37 | No.36 | No.35 | No.34 | No.33 | No.32 | No.31 | No.30 | No.29 | No.28 | No.27 | No.26 | No.25 | No.24 | No.23 | No.22 | No.21 | No.20 | No.19 | No.18 | No.17 | No.16 | No.15 | No.14 | No.13 | No.12 | No.11 | 特集号

→PDFデータバックナンバーはこちら

脳卒中センターの開設

日本で死亡原因第3位、寝たきりとなる原因の第1位をしめる脳卒中。  
近年、脳卒中の過半数を占める脳梗塞に対する超急性期(発症後3時間以内)治療の進歩により、早期の対応での有効性が判ってきました。市立豊中病院では、脳卒中センターを開設し、脳卒中を疑う患者さんの緊急受け入れに対応しています。

脳卒中とは?-日本人成人の死亡原因第3位

脳卒中とは、脳梗塞・脳内出血・くも膜下出血などの、脳の血管障害が元となる疾患(病気)のことです。

●現在の日本人成人の死亡原因第3位、死亡総数の1割強を占める。
●運動障害・知覚障害・言語障害などの後遺症が残ることがある。
●要介護となる原因の3割を占める。


さらに高齢化社会の進む現在、脳卒中の診療体制を構築する必要性が急務

脳卒中
くも膜下出血 脳動脈瘤(脳動脈にできたコブ)が破れて、脳の表面を覆うくも膜と脳との間に出血が広がる。
脳梗塞 脳へ血液を送る血管が詰まり脳細胞が壊死状態となる。
脳内出血 血圧の上昇などにより脳の中で血管が破れて出血する。
脳卒中の警告症状(米国心臓協会)
  • 突然 顔・上肢・下肢など身体半身の運動症状、感覚障害が起こる。
  • 突然 片目の視力障害、視野障害が起こる。
  • 突然 言葉がもつれる、話せなくなる、理解できなくなる。
  • 突然 原因不明の頭痛が起こる。
  • めまい感、体の不安定などの症状。
  • 突然 倒れる。

これらの症状が出たとき救急車をよび、できるだけ早く病院へ!

脳卒中センター

市立豊中病院の脳卒中センターは、24時間対応で脳卒中急性期(発症から初期の治療を要する期間)の患者さんを対象として、内科的治療(血栓溶解療法・合併症の予防など)、脳外科的治療(緊急手術など)のいずれにも対応できるチーム医療を行っています。

脳卒中の治療なかで現在注目されているのが、脳梗塞超急性期の血栓溶解療法です。
この治療法は、t-PA(tissue plasminogen activator)という血栓溶解剤を使用して血管に詰まった血栓(血の塊)を溶かして血管を開通させ脳梗塞を治療するという方法です。ただし、この治療が有効なのは発症後3時間以内の患者さんに限られるため発症直後に来院していただく必要があります。
平成19年4月に当院の脳卒中センターが発足し、2年半の間にこの治療により多くの患者さんが回復されています。  
なお、発症3時間を超えた患者さんに対しても、他の治療法で対応します。

脳梗塞患者数(平成20年度)

291名→t-PA治療47例(市立豊中病院実績)

脳卒中センターの診療体制

担当医(脳神経外科医・神経内科医)が24時間365日間体制で対応しています。患者さんが救急車で搬送されている間、救急隊員からの直接連絡で状態を把握しながら受け入れの準備をします。  
緊急の患者さんに限っていますので、急を要しない患者さんは通常の診察時間におこしください。

  • 24時間365日対応可能な緊急治療体制
  • t-PA治療患者および重症脳卒中患者はICU(集中治療室)あるいは HCU(準集中治療室)に入室
  • 脳内出血・くも膜下出血の、緊急手術対応
  • 急性期のリハビリテーションの推進(早期社会復帰に向けて実施)

医療連携‐脳卒中地域連携パス

脳卒中を発症すると病状の程度により後遺症が残るなど、治療・療養を余儀なくされる場合があります。
退院後のリハビリテーションや、再発予防のための通院治療の継続など、診療に関わる病院などが連携し切れ目のない診療体制が必要です。  
平成20年7月より豊能医療圏(豊中市・池田市・吹田市・箕面市・豊能町・能勢町)脳卒中地域連携パスを導入し、地域の医療連携を図っています。

診療科・部門案内 脳卒中センター (SCU)

平成19年4月より、脳神経外科、神経内科、リハビリテーション科、救急科が協力して脳卒中センターを開設し、急性期脳卒中に24時間365日対応しています。

対象は主として脳卒中ですが、発症当初は脳卒中か他の疾患か区別がつけがたいこともあるので、他の頭部疾患も受け入れています。

対象疾患
脳神経外科関係では…

◆脳内出血(既往に高血圧症があり、急に半身麻痺、言語障害などが起こり、意識障害に至ることもある)
◆くも膜下出血(突然、激しい頭痛、嘔吐で発症する疾患で意識障害を起こす場合もある)
◆脳腫瘍・慢性硬膜下血腫(高齢の方で数日間かかって運動障害などが進行する。過去2~3ヶ月以内に頭部打撲の既往があることが多い)  
また脳卒中ではありませんが、頭部外傷なども対象としています。  
これらの場合は、通常の診察時間帯以外でも、特に急を要する患者さんに限り診察ならびに治療を行います。  
なお急を要しない患者さんは通常の診察時間(月、水、木の9時~11時)に脳神経外科を受診していただきますようお願いいたします。

神経内科領域では…

脳梗塞、てんかん発作、髄膜炎、脳炎など急性期治療が必要な患者さんを受け入れています。それ以外の神経内科疾患、特に急を要しない患者さんは通常の診察時間(平日9時~11時)に神経内科で診察させていただきます。

t-PA治療(静脈内血栓溶解療法)とは

脳梗塞の多くは血栓が脳の血管に詰まり脳細胞が壊死状態となります。そこで血栓を溶かし、血流を回復させる治療が行われます。t-PAは平成17年10月に保険適用が認められた血栓を溶かす薬のことです。  
t-PAの治療効果は高く、発症後3時間以内の使用で、後遺症の程度を大幅に軽減することが可能です。しかし、全身に作用するため、他に出血しやすい場所があると、血管が血流の圧力に耐えきれず、破れて出血することがあります。そのため、t-PAの使用に際しては、十分な検討を行い使用基準を満たす患者さんにのみ用いられています。

脳梗塞から3ヶ月後の回復率
後遺症なし
後遺症ごく軽微
t-PA投与 39%
t-PA非投与 26%

米国臨床試験 1995年(平成7年)実施データ

t-PA治療は、発症から投与までの時間が短ければ短いほど有効性が高まります。

ページの先頭へ移動