病院紹介:市立豊中病院について

市立豊中病院広報誌 病院だより No.14 (平成22年1月発行)

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知っておきたいがん医療の基礎知識

市立豊中病院では、平成21年11月7日(土)阪急豊中駅前「ゆやホール」において「第7回がん医療公開講座」を開催しました。
今回は、がん治療をささえる緩和ケア、臨床心理士のサポート、がん相談支援センターなど当院での取り組みを紹介しました。

がん治療をささえる緩和医療

「緩和ケア」と聞くと、がんの終末期医療をイメージされていませんか。  
緩和ケアとは、終末期だけでなくがん患者さんの身体的な苦痛や精神的な不安を少しでも和らげるためのサポートを行い、「がん」と診断されたその日から、並行して行われるべき医療です。

がんの患者さんの不安や苦痛は様々です。
全人的苦痛(total pain)
身体的苦痛 痛み
他の身体症状
日常生活動作の支障
精神的苦痛 不安
いらだち
うつ状態
社会的苦痛 経済的な問題
仕事上の問題
家庭内の問題
スピリチュアルな苦痛 生きる意味への問い
死への恐怖
自責の念
緩和ケアチーム医療
  • みんなでささえる
  • 患者さんのからだや心の様々な苦痛を取り除く。
  • QOL(Quality of Life=生活・生命の質)の向上に努める 。

当院における緩和ケアチーム

当院では、厚生労働省より「地域がん診療連携拠点病院」として認定を受け、がん治療の中核病院として様々な取り組みをしています。  
その一環として、平成16年度より多職種からなる緩和ケアチームを結成し、それぞれの役割に応じた専門性を発揮し、緩和医療を行っています。
全人的な苦痛の緩和のためにチーム一丸となって対応しています。

チーム構成
  • 医師(麻酔科・精神科・外科系・内科系)
  • 看護師(がん看護専門・がん性疼痛看護認定・がん化学療法認定・訪問・外来)
  • MSW(医療ソーシャルワーカー)
  • がん相談支援センター相談員
  • 臨床心理士
  • 薬剤師
  • 放射線技師
  • 事務

相談内容としては「がん性疼痛」が最も多く、続いて精神的なサポートや在宅医療への支援などとなっています。がん患者さんの、1~2割の方が早い時期から痛みを感じ、再発や病状の進行により痛みがあらわれる人は約7割になります。痛みをがまんしていると、不眠や食欲不振をまねき気力も低下します。  
痛みをかかえながらの治療は大変です。痛みのない、いつもどおりの生活がおくれる状況で治療が行えることを患者さんとともにめざします。  
また、在宅療養を希望する患者さんやご家族の希望に応えるため、地域診療所と連携をはかり在宅でも充実した緩和ケアが行えるよう地域医療体制の整備を進めています。

緩和ケアチームへの依頼症例
疼痛コントロール
73%
精神的サポート
14%
その他の身体症状
6%
在宅支援
3%

豊能二次医療圏(豊中市、池田市、吹田市、箕面市、豊能町、能勢町)のがん患者さんの在宅死の割合が高く約12%(大阪府内1位)となっています。 在宅で看取るのはむずかしいことですが、地域の先生と連携することにより実現することが可能です。

がん治療とこころのケア -臨床心理士ができるサポート-

がん患者さんは、がんの告知・再発・転移、治療中の様々な場面での不安な気持ちや孤立感から、時に身体症状(不眠・食欲不振など)や、抑うつ的な気分におちいる場合があります。体に起こっていることには、こころも敏感に反応します。
当院では、こころのケアにも全診療科で対応しています。初期段階からの精神的サポートも大事な緩和ケアのひとつです。

臨床心理士による心理サポート
◆個人カウンセリング こころの相談として(予約制)
◆グループ療法 情報・知識に広く通じる必要性
孤独感の軽減→仲間を見つける心強さ
(1)がん治療セミナー
(2)サポートグループ
(3)がん患者の集い
「がんサポートプログラム」の受付

精神科外来 TEL:06-6843-0101(内線2900)

がんに関する様々な相談 -がん相談支援センター-

「がん相談支援センター」では、がんに関する様々な相談を受け付けています。  
看護師・MSW(医療ソーシャルワーカー:病院における福祉の専門相談援助員)・その他スタッフが相談員として対応しています。
院内の各専門スタッフと連携して患者さん、ご家族の疑問、不安、悩みを解決するお手伝いをします。

例えば、相談内容として…

院内相談
(当院入院中・外来通院中の方)
  • 現在および今後の治療方針
  • 家族間の問題
  • 介護保険などの制度や利用方法に関して
  • 治療費・生活費などの経済的な問題  など
院外相談
(他の医療機関に入院中・通院中の方)
  • 当院への転院・受診相談
  • セカンドオピニオンについて
  • 補完代替療法
  • 医療機関情報  など

困ったときは、一人で悩まずにまずはご相談ください。

診療科・部門案内 緩和ケアセンター

従来の「緩和ケアチーム」の活動と、新たに「緩和ケア外来」を設け平成21年10月より「緩和ケアセンター」を開設しました。

緩和ケア外来

がんの診断を受けている方を主に、体や心の苦痛など、がん診療のすべての過程で経験する様々な苦痛に対して、治療と平行しながら、一緒に考え、対応いたします。

相談内容

がんによる痛み ・消化器症状(吐き気、食欲不振) ・呼吸困難・倦怠感・精神的苦痛など
※院内の担当医や地域のかかりつけ医と連絡をとり、協力しながらきめ細やかに対応します。
※緩和ケアチームによるチーム医療で患者さんとご家族の相談に応じます。  
診察日:毎週月、水、金曜日午後(予約制)  
場 所:麻酔科外来
※当院には緩和ケア病棟はありませんので当科に入院することはできません。 外来での受診のみとなることをあらかじめご了承ください。

緩和ケアチーム

緩和ケアチームでは、各職種の専門性を発揮したチーム医療に取り組んでいます。

◆院内コンサルテーション活動

身体的・精神的な苦痛の緩和、在宅医療支援など

◆緩和ケア教育・啓発・普及

院内緩和ケア勉強会の実施など

◆がん患者家族対象「がんサポートプログラム」

セミナー・グループ療法の実施

◆地域緩和医療体制の構築

地域緩和医療ネットワーク協議会の開催

毎週月曜の午後、緩和ケアチームの合同カンファレンスが開かれています。 それぞれのメンバーが情報を集約・共有し今後の支援の方向性などを検討しています。

がん診療連携拠点病院とは

がん対策基本法(平成19年4月施行)に基づく、「がん対策推進基本計画」(平成19年6月15日閣議決定)により全国どこでも質の高いがん医療を提供することを目指して、都道府県の推薦をもとに、厚生労働大臣が指定した病院。

指定要件
  • 緩和医療の提供体制
  • 地域の医療機関への診療支援や病病・病診連携の体制
  • 専門的ながん医療に携わる医師の配置
  • 専門的治療室の設置
  • 病院内に相談支援機能を有する部門(相談支援センター等)の設置  など
がん診療連携拠点病院(平成21年4月現在)
全国 計375施設 都道府県がん診療連携拠点病院(注1)+地域がん診療連携拠点病院(注2)
大阪 計38施設 都道府県がん診療連携拠点病院 1施設+地域がん診療連携拠点病院 14施設+ 大阪府指定地域がん診療連携拠点病院 23施設

(注1)都道府県がん診療連携拠点病院:
各都道府県におけるがん診療の質の向上、及び医療機関の連携協力体制の構築に関して、中心的な役割を担う病院。
(注2)地域がん診療連携拠点病院:
がん診療に関して地域の医療機関と連携を図り、一体となった質の高い医療を患者さんへ提供するうえで中心的な役割を担う病院。

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