病院紹介:市立豊中病院について

市立豊中病院広報誌 病院だより No.12 (平成21年9月発行)

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患者さんと医療者の対話の橋渡し 医療メディエーション

医療を行ううえで私たちは、安全を最優先しています。しかし適切な治療を行っても期待したとおりにならないことがあり、結果によっては患者さんと医療者の対立を生んだり信頼関係の危機に陥ったりすることがあります。

医療裁判と医療メディエーション

医療トラブルを解決するための、医療訴訟の件数を見てみると、平成6年の506件から平成16年には1,107件と10年間で約2倍に増加しています。
しかし、裁判は長い期間を要し、金銭的な負担も大きい上に、医療者の過失が認定されることはまれです。
さらに、裁判では患者さんと医療者が直接話し合う機会がなく、感情的な対立がいつまでも解消されることはありません。患者さんが真に満足する状況にはいたらず不満を抱くことの多いのが現状です。

医療トラブルが起こったときの対応として、裁判によらない紛争解決手段が注目を浴びています。厚生労働省でも医療機関への導入が検討されているところです。
市立豊中病院では、平成17年4月「医療安全管理室」を設置し、裁判外紛争解決制度(ADR)として「医療メディエーション」の体制を構築してきました。

医療メディエーションとは?

患者さんの不満や苦情の多くは、患者さんと医療者の感情や事実がかみ合わないまま、時間とともに深刻化していきます。医療メディエーションとは、第三者であるメディエーターが入り、双方が同じテーブルについて話し合うことで解決の選択肢を見つけ出そうという紛争解決方法です。
メディエーターは、日本医療メディエーター協会から認定を受けた「医療安全管理室」の室長がおこなっています。
当事者の会話を傾聴し、双方の言い分に共感を示し、患者さんと医療者の対話の橋渡しをします。
両当事者が納得のいく解決法を導き、信頼関係を回復するための手助けをします。

患者さんと医療者が向き合い気持ちを伝え合いながら事実を確認していく。

それぞれ納得のいく解決策を追求することができます。

4年間でおこなってきた医療メディエーションの結果

患者さん側の約80%の方が納得されています。
メディエーターを間において「冷静に話し合うことができた」「気持ちを伝えることができた」などの意見が聞かれています。
もちろん、医療者側もこういう場を設けることには、非常に積極的で、「ごまかさない」「かくさない」「うそをつかない」という姿勢で臨みます。

安全で安心な医療について共に考えましょう

医療は、患者さんと医療者がよく話し合って決めていくものと考えています。  
患者さんが治療法についての良し悪しを十分検討し、選択できるための情報を提供します。

医療安全管理室では、医療に関するご不満等の相談にも応じています。実際に患者さんから直接ご意見を聞かせていただくことは、医療者にとっても非常に有意義なことであり、「心温かな信頼される医療」の提供に役立つと考えています。

ご質問内容
接遇・応対/一般 →経営企画室 医事係(1階)
診断・治療等 →医療安全管理室
医療費・料金 →経営企画室 医事係(1階)

診療科・部門案内 医療安全管理室

医療安全管理室は、医療の安全確保のための活動に組織的に取り組むための統括・調整部門です。専任の看護師及び事務員と兼任の医師、薬剤師、放射線技師、看護師、臨床工学技士がチーム一丸となって次のような業務を行っています。

インシデントレポートを収集・分析し、事故防止に努めています。

院内LANによる報告システムを導入し、インシデントレポートを迅速に集約できるので、素早い対応が可能になっています。集約されたレポートを様々な手法で分析して原因を究明し、事故防止に役立てています。

医療安全に関する職員研修を行っています。

安全文化の確立を目標とし、医療事故防止のための様々な院内教育活動を全職員対象に行っています。その一つに危険予知トレーニング(KYT)があります。医療行為は様々な危険と隣り合わせです。その危険を発見し解決することが医療安全につながっていくとの考えから、危険を予知する訓練を積極的に行っています。

間違いを防ぐため「指差し呼称」を行っています。

医療現場では1つの間違いが重大な結果を招く恐れがあります。声に出して、指を差して確認することにより、ミスは6分の1に減少すると言われています。  
治療や処置時に名前や内容の間違いを防ぐため患者さんと一緒に確認させていただいています。

インシデントとは

日常診療でのヒヤリとしたりハッとしたりに要注意!
インシデントとは、患者さんに傷害を及ぼすには至らなかったが、日常診療の現場でヒヤリとしたりハッとしたりした出来事をいいます。
インシデントをレポート(報告書)として収集し、分析を行い、対策を講じることにより医療事故(アクシデント)の発生を未然に防ぐシステムを構築することが、医療安全の確保を図る上で重要です。
事故と災害の関係を示したハインリッヒの法則によれば、1件の重大な事故のかげには29件の軽い事故が、さらにその背後には300件のミスが存在する可能性があるといいます。
発生した事例を患者様への影響度により分類し、職員からレポートを収集し、分析することにより再発の防止に役立てています。

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